「残業を減らしてほしい」という経営者の言葉と、「でも仕事量は変わらない」という現場の声。この二つが噛み合わないまま、「早く帰るように」という号令だけが出る。多くの中小企業で繰り返されているパターンです。残業が多い原因は、スタッフの意識の問題ではなく、業務の構造にあることがほとんどです。この記事では、構造的な原因の見つけ方と、最初の一手を説明します。
残業の原因を三つに分類する ¶
残業の原因は大きく三つに分けられます。(1)仕事量が処理能力を超えている、(2)業務の段取りが悪く、待ちや手戻りが発生している、(3)特定の人に業務が集中している、です。この三つのどれが主因かによって、対策がまったく変わります。まず一週間、部門ごとの残業時間と業務内容を記録し、どのパターンに当てはまるかを確認します。
「手戻り」を数える ¶
段取りの問題で最も多いのが「手戻り」です。一度完成した書類を修正する、確認が取れずに作業を止める、情報が届かないまま待つ、といった作業です。一日の業務の中で手戻りが何回発生しているかを一週間記録するだけで、改善の優先順位が見えてきます。手戻りの多いステップは、情報の渡し方か確認のタイミングに問題があることが多いです。
属人化の見つけ方 ¶
「この人がいないと回らない」という状態が、残業の温床になっていることがあります。属人化を見つけるには、「この業務を別の人が担当できるか」という問いを各業務に当てはめます。「できない」という答えが多い業務は、手順が文書化されていないか、判断基準が個人の頭の中にある状態です。まずその業務を書き出すことから始めます。
最初の一手:一つだけ変える ¶
残業削減の取り組みで失敗するパターンのひとつが、一度に多くのことを変えようとすることです。最初は一つだけ、最も手戻りが多いステップか、最も属人化している業務を選んで改善します。一つ変えて効果を確認してから次に進む方が、現場の抵抗も少なく、成果も見えやすいです。
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